今日6月22日、鈴鹿市議会総務委員会で九条の会すずか提出の請願が可決されました。
委員会のメンバーは6月20日号の「市議会だより」のとおりで8人の議員。議論が始まるとすぐに、この法案とその国会審議への問題意識が予想以上に高く、多くの委員のみなさんにもこの請願と同じ思いが共有されているとわかりました。
 周囲で多くの市民が、この請願と同趣旨の声を挙げている、市民に最も近い市議会がこれを出すのは当然、との意見表明もあって、とても心強い思いでした。
 お一人反対された委員があっただけで、6人の圧倒的賛成で可決。紹介議員の森田さん、板倉さんをはじめ、いろんな形でお力になって下さった多くのみなさん、本当にありがとうございました。29日の本議会での採択を祈っています。

■鈴鹿市議会6月議会・総務委員会への意見陳述(全文)■

 このたび私たち「九条の会すずか」が提出した「安全保障法制の慎重な審議を求める意見書採択に関する請願書」について、意見陳述の機会をいただきありがとうございます。
 すでにご承知の通り、新たな安全保障法案の国会審議が始まって1ヶ月が過ぎましたが、与野党の論議はかみ合っているように思われず、私たちは、ずっと多くの疑問と懸念を抱いています。
 「九条の会すずか」では、憲法学の先生を招いてこの11本に及ぶ法案が、自衛隊員だけでなく私たちの市民生活にも大きな影響があるといったことについてもお話いただきましたが、国会審議ではまだそうした内容まで語られてはいません。その内容が国民に十分知らされないまま審議が進められることに大きな危惧を抱かざるを得ません。
 今回の法案はわが国の安全保障政策の大転換をもたらすものです。国民とともに歩むべき安全保障政策については、多様な意見をくみ取り、丁寧な説明によって国民の十分な理解と納得の上に成り立つものだと考えます。今回、自衛隊員がこれまでになく危険な任務で海外に派遣されるかもしれないと言われていますが、その前提としてなにより必要とされるのは、その任務への国民的コンセンサスではないでしょうか。
 国民の懸念や疑問に対し、説得力のある答弁で理解と納得を得ることができるかどうか、それこそが今国会審議の焦点だと思われます。10本一括で提案などという拙速な手法によるのではなく、むしろ十分時間をかけて徹底的に議論することが必要だと思います。その議論を通じて私たち国民の懸念を払拭し理解させるのには、与野党とも相手を屈服させたり拒絶することばではなく、相手の言い分に耳を傾け説得することばが必要でしょう。ましてリスクを語ることなく、曖昧にしたまま進められるようなことは、あってはならないと思います。
 元自衛隊員はこう言います。「戦闘地域か非戦闘地域かは問題ない。1発でも撃ってくれば戦争になる。」「『こんなはずではなかった』となってからでは遅い。そうならないためにもしっかり議論してほしい」。また山崎拓氏、古賀誠氏など自民党の元幹事長ら5人も法案に反対声明を出していますし、廃案を求める憲法学者は200名を越えています。
 6月4日には、与党推薦の参考人も含む三人の憲法学者全員が集団的自衛権の行使容認を含むこの法案を「憲法違反」として大きな反響を呼びました。合憲だという二人の学者も記者会見をしていますが、この方たちは政府が違憲としている「徴兵制」も合憲とする考えだといわれています。その後朝日放送の報道番組「報道ステーション」が行った『憲法判例100選』の執筆者である憲法学者198人へのアンケートによれば、回答者151名のうち集団的自衛権行使を合憲とするのは4人、安保法案を合憲とするのは3人という結果がでています。日本国憲法という最高法規に違反しているとの判断がこれほど出ている状況で、十把一からげともいえる提案で拙速な審議と採決は、決して強行するべきではないと思います。国会の会期が9月まで延長されると言われていますが、今国会での成立を急ぐその姿勢にも危うさを感じます。
 私たち「九条の会すずか」は5月以来署名活動を続けていますが、これまでになく市民のみなさんが協力的というより積極的です。多くの方が「ああ、今国会でやっとる法案な、あれはいかんなあ」とすぐペンを取って下さいます。そればかりか、署名をして下さった方から、今回は私たちの方がお礼を言われるのです。「この法案には、ちょっと待ったと言いたかったが、一市民の自分にはその手段がなく、何もできないのがとてももどかしかった。あなたたちのおかげで、そんなわたしの声を届けることができる。ほんとにありがとう」と。それも何人もの方から言われます。高校生の声も紹介します。「憲法を無視して、戦争の加害者にも被害者にもなりうる国づくりはごめんです。私たち若者のためにがんばってください」。
 こんな切実なる市民の声をどうか、鈴鹿市議会でくんで下さり、今国会での成立に拘らず、慎重審議をするよう政府への意見書を申し入れて下さい。心からお願い申し上げます。
                                        2015年6月22日
                         九条の会すずか代表世話人 稲垣恵美子


Source: 九条の会すずか

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