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2006年06月10日
[交流集会]よびかけ人 小田実さん
小田実さんの挨拶
「いま、理想的であることがもっとも現実的である」
「NHKのラジオ番組(※)に呼ばれた。私を含めてあとお二人、松本健一さんと寺島実郎さんだった。松本さんは改憲、寺島さんもどちらかといえば改憲の立場だった。NHKの人もそうだと思った。
今、あの時代がよかった、昔に戻れという改憲の論議は影を潜めている。戦争の反省に立って、改憲しようという論理が強い。昔に戻れという論議でなく、もう少し、物分りがよくて、違う形のが出てきている。
第一項は残し、第二項をやめちまおうおという動きがある。松本さんの議論もこれを反映していた。
(※NHKラジオ第一 5月3日 21世紀日本の自画像 「憲法とこの国のゆくえ」)
私は、彼らが夢をみているかのように聞こえた。憲法をこのままにしておくと、自衛隊が何するかわからん、憲法的歯止めをかける、ほっとくと犯罪をする奴が出てくるかもしらん、だから憲法の枠をはめる。そういう改定論がすごく強力になっている。寺島さんも、そういう意見だった。
これはこれから私たちが考えていく問題で、なるほどと思った。彼らの議論は、夢想的で夢を見ていると思った。合憲と認めていない憲法で、自衛隊はかってに行動している、小泉さんはかってにイラクに派遣した。これがもっとすごいことになる。歯止めがあってもひどいのに、その歯止めを取ってしまえば、めちゃくちゃになる。
私は、自衛隊を解消していく、世界全体を非暴力にしていく、という「夢想」を説いた。ところが「改憲で歯止めを」という夢想をいう人が、それが「現実的だ」という。
しかし、原理原則に立ち返る必要がある。私は戦争を経験した。私にとって戦争とは、空襲と飢えだ。
現実論者は、自衛できる軍隊にというが、それを考えると、日本には抵抗する力はないと痛感した。日本には資源がない。石油がない。これで戦争ができるでしょうか。飛行機も戦車も動かない。
食料もない。私は、あの戦争があと半年つづくと、飢えで死んでいた。
いまも自給率は40%だ。現実を考えると、とても戦争はできtない。
しかし、この議論は、TVでも出てこない。その議論はなされないままだ。自衛のための戦争を論じるが、それは、夢想に見えてくる。ものごとを冷静に考えるべきだ。
まやかしの現実論者にまどわされている。
実際には、国を守るためには、戦争をしない、まきこまれない必要ががある。理想にむかって進む必要がある。その原理原則にむかって進むことだ。その基本、原理原則がなにかといえば、憲法だ。
われわれの国に繁栄をもたらしたのは憲法だ。その重大性を考えるべきだ。
したがって、理想に向かって進むことが、もっとも現実的である、ということを、もっともっと考える必要がある。
投稿者 Mr.X : 2006年06月10日 16:16