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2006年01月04日

結成宣言にこめた思い・・・その3

 「人の心を動かす文章」に求められるのは、読みやすさ・美しさもさることながら、その文を書く本人や、書くことを委託した人(あるいは人たち)の「思いの強さ」がどれだけその文に反映しているかだと思います。

 *今回は長文ですよ~

 特に、今回の「結成宣言」のような、多くの人に読まれることが最初から約束された文章であれば、多くのブロガーの「憲法を守りたいという強い思い」を意識しないわけにはいきません。Mr.Qさんをはじめ、このブロガーズ・リンクの目的や概要について準備のための議論を積み重ねる中で、文学的な素養のまったく無い私のような人間にもそれなりに受け入れてもらえる「宣言文」を起草することができたと自負しています。

 さてここで、話しを変えて憲法の話題に。

 読むたびに私の心を動かしてやまないのが日本国憲法の「前文」です。私はこの「前文」を読むとき、起草者が意識したであろう、当時の日本国民から託された「思いの強さ」を感じずにはいられません。

 現行憲法がGHQによる押し付けだという批判がありますが、そもそも1945年当時の世界で「新しい憲法をつくろう」と考えたとすれば、「憲法とは国民国家に守らせるべき法」であるという、近代立憲主義の基本原則や、「主権在民」「基本的人権」「戦争放棄」といった考え方を盛りこむことは、欧米流の民主主義国家の建設を目指すのであれば必然的な流れだったわけです。
 だから、あとはそのことを当時の日本人の「思い」をいかに反映して書き込むかという課題が前文の起草者に課せられたのだろうと思います。

 出来上がった「日本国憲法・前文」は、もう二度とあんな悲惨な戦争をしたく無いし絶対にしないという強い決意=日本国民の「強い思い」を反映した「文章」として、59年たった今でも、私たちの心を動かすアピール力の強い文章に仕上がっています。

 翻って、自民党の改憲草案の前文はというと、、、あの「読売新聞」でさえも「無機質」(10月29日朝刊)である、と書いたように、起草者の思い入れを一切排して、盛り込むべき基本原則をただひたすら羅列しただけの、実に薄っぺらな文章にしあがっています。

 新しく盛り込まれた『愛国心』や、バッサリ削除された『侵略戦争への反省』という、憲法の基本原則に関わる部分の問題の大きさもさることながら、私などは、前文そのもののあの「薄っぺらさ」を見るにつけ「ここには『私たち国民の思いを、新しい憲法に盛り込もう』という視点は一切無い文章だな」との思いを強くするのです(ある意味、中曽根元首相が激怒するのもうなずけると言うか・・・)
 そして、ここには
 「国民が国家に守らせるための法律」という基本原則
 「自民党が作って、国民に守らせるための法律」に置き換えようという、近代立憲主義を逆立ちさせる自民党の改憲草案の本質が反映しているのだろうと感じずにはいられません。

 ということで、今回ははここまで。
 最後まで付き合って読んでくれた方に感謝です。

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 そうそう、ご挨拶が遅れてしまいましたが、皆さん新年明けましておめでとうございます!

投稿者 Mr.K : 2006年01月04日 21:01

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