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2006年01月21日

いよいよ、通常国会がはじまります。

 みなさんご無沙汰してます。Mr.Kです。

 第164通常国会がいよいよ本日20日からはじまります。
 今回の国会にむけては、マンションの耐震偽装の問題やライブドアの強制捜査で金融市場が混乱している問題などに国民の注目が集まっていますが、実は改憲の手続き法である国民投票法案の行方をめぐって、水面下では着々と準備が進んでいます。

 今回も長文ですよ~

 自民党は一昨日18日、通常国会に先がけて東京都内のホテルで定期党大会を開き、二〇〇六年運動方針と大会アピールを採択しています。

 運動方針としては、憲法九条二項を削除し、「自衛軍の保持」を打ち出した自民党の新憲法草案を「わが国の平和と繁栄の道しるべ」として「実現にまい進する」と強調しているのが昨年から大きく変わった点。逆に変わらないのは首相の靖国神社参拝を引き続き続ける考えを示した点でしょうか。
 また重点政策としては、改憲手続きを定める国民投票法の制定、教育基本法改定、防衛庁の「省」昇格実現などを列挙しています。

 昨年の臨時国会では「日本国憲法に関する調査特別委員会」が与党のごり押しで、すでに設置がされています。この委員会は「日本国憲法改正国民投票制度に係る議案の審査等」を目的としています。
 前身である「調査」だけを目的にした『憲法調査会』ですら、設置するのに議院運営委員会で7ヶ月の議論を要し、調査結果の発表まで5年の期間をかけたというのに、新しい法律をつくる権限を与えられたこの特別委員会は、たった1回の議院運営委員会で設置が決まり、たった2回の国会で法案の成立を目指すというスピードの速さです。まさに与党の数の驕りがなせる業、昨年の9・11ショックで与党大勝利を許したことで国会が様変わりしました。

 また、昨年12月20日には自民党の中山太郎衆院憲法調査特別委員長を中心に、民主党、公明党の担当者が集まり、通常国会で国民投票法案の成立をめざすことで合意、民主党の枝野幸男・憲法調査会会長も「あとは技術的な問題」と述べたとも、もれ伝わっています。すでに事態はそこまで進んでいると見るべきです。

 ここで、国民投票法に関して、これをどう見るのかという問題ついてひと言。われわれ護憲派の中にも、「国民投票のための法律すら無いのは立法不作為じゃないか?」「実際に国民投票で廃案にすれば良いのでは?」という意見をもつ人が意外と多いということです、世論調査などの数字で「9条については改正反対が6割」という報道も、漠然とそのような意見をもつ根拠となっているように思います。
 この問題について、二つの「なぜ?」を考えてほしいと思います。

 一つ目は、国民投票法はなぜつくられてこなかったのか?
 それは、国民は憲法改正を望んでおらず、国民投票法を必要としてこなかったからです。
 そもそも「立法不作為」が問題になるのは、憲法に基づく法律が整備されていないため国民の権利が侵害されているときに問題にされることです。近年問題になったのは、ハンセン病元患者を隔離するらい予防法を廃止しなかったことや、学生無年金者の救済をする法律が未整備だったことなどがあげられます。
 国民投票法がないために私たち主権者である国民の権利が侵害されているわけでは無いですよね。

 二つ目は、国民投票法をなぜ、つくろうとしているのか?
 それは、自民党が憲法を(とりわけ9条2項を)変えることを望んでおり、そのための法律を必要としているからです。
 実施するからには、国民に否決されることことが無いよう、万全の体制で準備してくるでしょう。
 九条を守ろうという国民の世論は根強いものがありますが、改憲派は、この世論をどうやってひっくり返し改憲賛成にもっていくか、投票方法でもいかに可決されやすい方向にするか、国民投票の過半数を得やすい仕組みをつくろうと必死です。
 憲法の改定には「国民投票で過半数の賛成」をえることとなっていますが、その過半数を「有権者の過半数」にするか「有効投票の過半数にするか」は決まっていません。自民党はもちろん、一番ハードルの低い「有効投票の過半数」にしようと狙っています。投票の年齢も18歳以上にするか20歳以上か、これをどちらにするかもハードルが低くなるほうを選択することを狙っています(現在は20歳以上を主張しています)
 投票までの運動期間などもこれから話し合われますが、自民党は「公職選挙法程度の規制」が必要だと主張しています。選挙期間中に、候補者名を書いて自由に応援することについて「これって選挙違反かな?」とビクビクしながらエントリーを書いた経験のあるブロガーの皆さんには、公職選挙法程度の規制が何を意味するかは理解しやすいと思います。まさに言論統制の危険です。

 改憲派は一気呵成に憲法を変えようとする乱暴者たちばかりではありません。
 「改正をしていいかどうか調査するだけなら」
 「改正の是非について議論するだけなら」
 「改正に必要な法律をつくるぐらいなら」

 と一歩一歩、確実に、したたかに、物事を前に進めようとしています。
 その一つ一つの動きに「そんな程度のことに反対したら、頑固者と思われるんじゃ・・・」などと、われわれ護憲派が躊躇しては、まさに敵の思う壺です。その妥協が結局は
 「国民投票を実施するだけなら
 「自衛隊を書き込むだけなら」
 「自国の防衛のためなら」。

 という流れをつくってしまうのです。

 国民の関心を逸らすニュースがてんこ盛りの情勢ですが、今国会の最重要法案―国民投票法―皆さん、要チェックですよ!

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投稿者 Mr.K : 2006年01月21日 01:36

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