第361回 2015年末、「越冬」の現場。の巻
 「ここは天国ですね」  大晦日の前日、男性はほっとした表情でそう言った。  約一ヶ月間に及ぶ初めての野宿生活から解放され、シェルターに辿り着いた瞬間、漏れた言葉だ。  寒さのためか、男性の手は赤く腫れ上がっていた。年齢は40代前半くらいだろうか。一ヶ月前、それまで住んでいた県での仕事をやめ、「東京に来ればなんとかなる…
Source: マガジン9
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