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2006年03月25日

「勤労者通信大学 憲法特別コース」

みなさん、こんにちは。
Mr.Hです。

民主党のメール問題が起こってから、自民党は民主党に対して「横綱相撲」といった様相ですね。
国会の力関係から見ると、参議院では、憲法改定の発議を出す三分の二には民主党の協力が必要ですから、「ころあい」を見計らってるといったところでしょうか。

共産党と社民党の党首会談の第一回目もおこなわれたことですし、国会内での護憲派の奮闘を期待するとともに、国会の外での草の根からの取りくみを盛り上げていきましょう。

さて、今日は書籍ではなく、憲法について学ぶ、「通信講座」のご案内をしましょう。
「勤労者通信大学 憲法特別コース」(勤労者通信大学)

「勤労者通信大学」は、主に労働者…働く人向けに開催されている通信講座です。
毎年「労働運動」などがテーマなのですが、今年は憲法の問題の講座が開かれています。

申し込むと、テキストと、サブテキストが送られてきます。
テキストは
「はじめに そもそも憲法とは」
「第一章 日本国憲法には人類の宝がいっぱい」
「第二章 世界にはばたく第九条」
「第三章 人間らしく生き、働くために~基本的人権と団結」
「第四章 いま、憲法があぶない」
「考え、討論するコーナー 「憲法を改正した方がよい」という意見をどう考えるか?」
「第五章 改憲阻止の国民的多数派をつくろう」
という構成です。

…一気に読みました。ええ、読みましたとも。
それじゃないと自信もっておすすめできませんから。

一言で言って、すばらしい講座です。
憲法の歴史、九条の魅力、改憲の歴史的系譜、論点がどこにあるのか…etc.
たいへんわかりやすく、資料もたっぷりと使って解説しています。

さすが「あなたも憲法の『語り部』になろう!」と呼びかけるだけのことはあります。
ちなみに受講料は8000円です。

投稿者 Mr.H : 2006年03月25日 05:00

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コメント

聞いた事がない大学ですね。憲法学と言っても論者によって随分と違うのですが、通説的な立場で学べるのでしょうか?

投稿者 ふふふ : 2006年03月27日 03:51

>ふふふさん

これは、労働組合の人たちむけに講座を開いているところなんです。
いわゆる「大学」ではありません。

ふふふさんのおっしゃる「通説的」が何をさすのかわかりませんが、テキストを書いているのは、憲法学の専門家で、少なくともこのKeep9の趣旨に賛同する方にとっては、役に立つものだと思いますよ。

投稿者 Mr.H : 2006年03月28日 00:58

憲法学というのは政治学に一番近い法律学なので、学者の政治的立場によって、ずいぶんと内容が違ってしまいます。

通説的立場というと、東大学派といわれる人たちなんでしょうね。精神的自由権を重視し、二重の基準論など、英米の憲法判例を重視した法解釈をする学派です。

極左の憲法学者ですと、逆に精神的自由より経済的自由を重視します。かつてのソビエトや今日だと中国・北朝鮮に近い憲法学です。要するに、共産主義的平等のために、表現の自由などは制限されても仕方がないという考えです。(と、書くと嘘言うなといわれそうですが、我が母校明治の憲法学者がこの立場です)

ホームページに学者さんの名前がないですね・・・。その辺どうなのでしょうk?

投稿者 うーん : 2006年03月28日 15:22

>うーんさん
ほほぅ。そうですか。
私は理系だったので、学問としての憲法学をきちんと学んでおりませんで、「学派」とかは、存じません。

HPにはテキストの目次も載っていますね。
多分メールで質問したら、どういう学説的立場のものかも答えていただけると思いますよ。

そして、興味があったら受講してみていただくことですよ。

投稿者 Mr.H : 2006年03月28日 19:56

う~んさん、ちょっとそれは違います。
東大法学部の憲法学とは宮沢の八月革命説を受けた人たちで、いわゆる護憲派です。この流れは、岩波系と接点があります。共産党や旧社会党と接点があり、東大は共産党のひとつの拠点であるのは今でもそうです。
そもそも精神的自由を重視するからこそ、国家権力には懐疑的なのです。なお、東大法学部の憲法学者の影響は、日本私立大学に影響しました。

ちなみに、共産党系の学者と、共産党以外の左翼系学者は立場がことなる場合もありますが、九条に対する政府の解釈にはともに批判的です。早稲田大学や明治大学や法政大学の憲法学者は、東大法学部の影響を受けていますし、立命館あたりの大学もその影響があります。

あなたが言っていることは、共産党とその他の左翼系の学者の立場の違いまで考察したほうがいいし、単純にいいきれません。また、極左とは具体的に共産党以外をしめす場合が多いのですが、それらを指摘されている諸国には批判的な場合がむしろ多いです。

ちなみに、労働権や団結権、社会権、生存権は幸福追求権を根拠に、戦後憲法の新しい価値として付与されたものであり、経済的自由、精神的自由どちらも重要なのが日本国憲法の価値観だと思います。

他方で改憲派の学者は京都大学の憲法学者などや私立大学の学者にいますが、ほとんど少数派でした。しかし最近増加しつつあります。

ちなみに勤労者通信大学とは、労働者や労働組合を対象としたものですね。

投稿者 日本国憲法擁護連合 : 2006年05月29日 06:14