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2006年02月26日
「憲法25条+9条の新福祉国家」
みなさん、こんにちは。
本職で多忙を極めて、なかなか新しい本を読めていなかったMr.Hです。
本、よんでますか?
どんなにインターネットが発達し、どんな情報でも取り出せるようになっていても、
どんなにブログが発達して、いろんな人の意見に気軽に触れるようになっていていても、
一定の長い文章を本でしっかり読むことは、論理的に考える脳みそを鍛えるためには欠かせないと思いますよ~。
さて、今日紹介するのは、9条にも触れていますが、どちらかというと25条「生存権」にかかわる記述の多い本です。
「憲法25条+9条の新福祉国家」(二宮 厚美 かもがわ出版)
日本国憲法の前文では
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
としています。
…私が初めてみたのは、中学校ぐらいでしょうか。
感動しましたね。
この権利を保障するのが人類の目標だ、といってもいいんじゃないか、というぐらい、奥の深い中身です。
さて、この前文を、日本ではどうするかを書いた条項が、憲法9条と、25条です。
憲法9条が、今、改憲勢力に狙われているのは、ご存知のとおり。
同時に、25条の改定も、改憲勢力の狙いの一つとなっているのです。
この本では、九条にもとづく「平和国家」と25条にもとづく「福祉国家」は一体のものであること、そして、それを「新自由主義」という思想が、まったく逆の道へ進めようとしている事を明らかにしています。
人類が、歴史の中で25条に結実した生存権をどう確立してきたのか、それを日本の国は具体化してきたのか、さらにはそれが、どういう形で「新自由主義」の標的になり、それにどう対抗していく必要があるのか。
25条にもとづく国づくりと、それを9条とともに葬り去ろうという新しい流れの激突。
新自由主義が生み出した、「勝ち組負け組」「自助努力」という言葉のが示す国民を分断する思想などについても触れており、今の日本を読み解く際に欠かせない視点を示してくれる本でした。
もともと、二宮先生は、経済学の先生で、憲法論は専門分野ではありません。
それが、なぜ、こんなテーマの本を書くにいたったのか。
あとがきに詳しく解説してあります。
実は私には、それが一番面白かったんです。
また、憲法の持つ魅力と、それを知っている人が本当に幅広くいるのだということに、あらためて気がつかせられたんですよ。
投稿者 Mr.H : 2006年02月26日 00:18
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コメント
あなたは今の憲法をだれが作ったか知っているのですか?
サヨクの方は感情だけで何の証拠もなく自分で調べる訳でもなく、マスコミなどのいい加減な情報を鵜呑みにし自分は正義で反対の意見は悪(右翼)だと思っているみたいですが、もう少し日本の近代史を一から学ぶべきです。
学校ではほとんど教えませんが、それは、教科書を出版しているのは左翼系だからです。日本イコール悪と言う呪縛から早く解かれるのを祈ります。
投稿者 私はサヨクではない : 2006年03月11日 02:18
>私はサヨクではないさん
コメントいただき、ありがとうございます。
「悪(右翼)」という書き方をみると、ウヨクでもないのでしょうか?
私は、憲法九条の問題を考える際にはサヨク・ウヨクはあまり関係ないと思うのですがいかがでしょうか。
私は、世の「サヨクの方」がどういった方々なのかを、論評する立場にありませんが、憲法の成立過程や、日本の近現代史をしっかり学ぶことは、憲法を考える際に大事なポイントの一つなることは、まったく同感です。
「私はサヨクでない」さん(ややこしいので括弧書きをお許しください)が「誰が作ったか」の何を問題にされるのかをもう少し教えていただけますか?
当初の日本政府が作った憲法案は、民主主義や平和原則、地方自治など日本国憲法が今持っている進歩的原則からは程遠いものであったこと、憲法の草案を考えたGHQ内のグループは当時の世界の人権論の粋を集めてきたこと、日本の市井の人々の「草案」がたいへん優れたものであり、それらが日本国憲法に反映され生きていることなどを私は学んできました。
その上で「だれが作ったか」の何を問題にしていらっしゃるのでしょうか。
私は日本イコール悪というステレオタイプの見方をしてはおりません。
近代史における日本の外交政策、とりわけ侵略戦争による領土拡大の方針は、間違っていたと思いますけどね。
「私はサヨクでない」さんは、私の主張の(あるいはサヨクの方の主張の?)どのあたりを「日本イコール悪」と言っていると感じていらっしゃるのでしょうか?
あるいは、何を正しかったとしていらっしゃるのでしょうか。
質問が多くてごめんなさいね。
何を指摘されているのかを正確につかまないとトンチンカンな話になってしまうもんですから
投稿者 Mr.H : 2006年03月11日 03:23